中小企業がAIを始めるとき、最初の一歩は「ツール選び」でも「社員教育」でもありません。社長であるあなた自身が、自分のいちばん面倒な仕事をひとつだけ、AIに手伝わせてみることです。迷ったら「見積書の下書き」から。費用は0円で始められます。
ここでいうAI(エーアイ)とは、文章で指示すると文章で答えてくれる「生成AI」のことです。この記事は、エンジニアではない沖縄の一人社長が、自分の会社でAIを毎日使っている実体験から、明日何をすればいいかを順番に書いたものです。
シーサーくんこんばんは。長い記事ですが、今夜のうちに1つだけ持って帰れるように書いてあります。
この記事の3行要約
結論:社長が、自分のいちばん面倒な仕事を1つだけAIに手伝わせる。迷ったら「見積書の下書き」から。
費用:0円で始められます。私がいまChatGPTに払っているのは月20ドル(約3,000円)です。
今夜やること:スマホでChatGPT(チャットジーピーティー)の無料版に登録して、この記事にあるコピペ文を1回打つ。5分で終わります。
この記事が向いている人・向いていない人
向いています:見積書・メール・報告書など「文章を書く・まとめる」仕事に時間を取られていて、まずは社長自身が0円で試してみたい方。
向いていません:困りごとの正体がAIではない場合です。売上管理が大変なのは記録の場所が3つに分かれているからかもしれないし、特定の人に仕事が集中しているのは道具ではなく分担の問題かもしれません。
その場合、AIを入れても面倒が一つ増えるだけです。紙の受発注そのものを置き換えたい場合も、AIが効くのは「文章を書く・まとめる」まわりなので、遠回りになります。
最終更新:2026年8月6日|書いた人:深町貴弘。私も最初は、何を打てばいいかわからず、開いてすぐ閉じました。
社長が、自分のいちばん面倒な仕事をひとつだけ。迷ったら「見積書の下書き」から。費用は0円です。
中小企業のAIは何から始めるべきですか?答えは「社長が、自分の仕事ひとつから」です



ここが結論です。ここだけ読んで閉じても、今夜ぶんの答えは持って帰れます。
最初の一歩はツール(道具)選びではなく、社長自身が自分の業務1つをAIに手伝わせることです。迷ったら「見積書の下書き」から始めてください。
答えを先に、一文で書きます。
中小企業のAIは、「社長が、自分のいちばん面倒な仕事をひとつだけ、AIに手伝わせてみること」から始めてください。何を選ぶか迷ったら、「見積書の下書き」です。
見積書そのものではなく、見積書に添える説明文や、お客様への案内文の「たたき台」をAIに書かせてみる。多くの業種にこの仕事があり、文章で完結し、失敗してもお客様に迷惑がかからないからです。同業者が飲み会でさらっと言う「見積書のたたき、もうAIに書かせてますよ」は、実は最初の一歩として理にかなっています。
順番はこうです。
順番はこうです
道具選びからではなく、1から順に。飛ばさないのがいちばんの近道です
- 1
社長が、自分の業務を1つだけAIに手伝わせてみる
今夜できます。手順は記事末の宿題に
- 2
向き・不向きを自分の体で感じる
「これは使える」「これは無理だ」の感覚を持つ
- 3
うまくいったものを、社内に見せる
説明ではなく、実物を見せる
- 4
社員の仕事で、広げる業務を1つだけ選ぶ
一気にやらない
- 5
「AIに入れない情報」のルールを決める
この記事の判定10例を、そのまま使えます
逆に、「まずツール選びから」始めると、高い確率で止まります。比較記事を読み、資料を集め、どれがいいか決められないまま日常に戻る。私も通った道です。道具は無料のもの1つで足ります。選ぶのは道具ではなく、手伝わせる仕事のほうです。
生成AIとは(30秒の定義)



言葉の説明はここだけです。知っている方は次へ進んでください。
生成AIとは、文章で指示すると、文章で答えてくれる道具です。難しい操作はありません。LINEでメッセージを打てる方なら、たいてい操作できます。代表的なものがChatGPTで、無料版があり、今夜スマホから試せます。
なぜ「社員にやらせる」から始めると止まるのか



え、社員にやってもらった方が早くないですか?



私もそう思っていました。でも、ここでつまずきました。
「若い社員に任せよう」。これも自然な発想ですが、私の見てきた範囲では、ここから始めると止まりやすいです。理由は単純で、経営者が自分の言葉で語れないものは、社内に広がらないからです。任された社員は「社長はどこまで本気なのか」を測りながら動くので、遠慮がちな試用で終わります。逆に、社長が「俺はこう使ってる」と実物を見せられると、話が一気に具体的になります。まず社長。これが順番です。
セミナーの翌朝、何も変わらない。導入している中小企業はまだ2割です



セミナーの帰り道、うちだけ遅れてる気がして焦りました。



まだ2割です。急がなくて大丈夫ですよ。
始められないのは、あなただけではありません。データで見ても、それがいまの普通です。
「AIで業務効率が大幅に改善」(この手のセミナーでよく聞く言い方です)。セミナーでそう聞いて、メモも取った。なのに帰りの車の中で、ふと気づく。「で、うちの会社は、明日から何をすればいいわけ?」この問いに、セミナーは一言も答えてくれていなかった。
私はこれと同じ経験をしています。会場で紹介される事例は、従業員100名を超える会社か、工場のある製造業の話ばかり。うちのような小さな会社の話は出てこない。質問の時間はあったけれど、手は挙げられなかった。「そんなことも知らないんですか」という空気が怖かったからです。
営業に来るIT業者の前では、つい「わかってるフリ」をしてしまう。そして飲み会で、年下の同業者がさらっと言うのです。「見積書のたたき、もうAIに書かせてますよ」。
あの一言が、いちばん効きました。
ここで、数字をひとつだけ置いておきます。中小企業基盤整備機構(中小機構)が2026年3月に公表した調査では、中小企業のAI導入率は20.4%とされています(出典:中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月・調査ポイント(PDF))。
つまり、8割の会社はまだ始めていません。セミナーに行ったのに何も始められていないのは、恥ずかしいことでも、遅れていることでもなく、いまの日本の中小企業の「多数派」なんです。
ただし、同じ調査では、AIを導入した企業に効果を尋ねたところ、83.2%が「業務効率化/作業時間の短縮」を効果として挙げたともされています。始めた2割の側は、おおむね「仕事が軽くなった」と感じている。この2つの数字を並べると、こう読めます。
まだ2割。始めた会社では、何が起きているか
同じ調査の中にある、向きの違う2つの数字です
残りの79.6%は、まだ始めていません。調査での言い方は「AI等の利活用」です。
下の数字は、この色がついた約2社の中だけの話です
調査での言い方は「業務効率化・作業時間の短縮」。挙げられた効果の中で、いちばん多かったものです。
出典:中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月
まだ遅れてはいない。でも、始めた側に回る理由は、もう揃っている。
問題は「やるかやらないか」ではなく、「何から始めるか」が誰にも教えてもらえないことです。その答えは、この記事のいちばん最初に書いたとおりです。
【実体験】非エンジニアの私が、最初の1ヶ月でやったこと・払ったお金・失敗したこと



ここからは、うまくいった話だけでなく、失敗と実際に払った金額も出てきます。
最初は何も打てずに閉じました。最初の1業務が形になったのは、始めてから1週間〜10日ほど。いま毎日使っていて、ChatGPTに払っているのは月20ドル(約3,000円)です。
私はエンジニアではありません。沖縄で小さな不動産の会社(株式会社OKINOWA)を一人でやっている、宅建士・FP2級の「経営の側」の人間です。その私の記録を、時系列でそのまま書きます。
私の最初の1年
非エンジニアの一人社長が、AIを使えるようになるまで
- 1最初の日
開いて、何も打てずに閉じた
「何を聞けばいいのか」が分からなかった
- 2もう一度開いた日
「話し言葉でいい」と知った
きれいな指示文を書く必要はなかった
- 31週間から10日
最初の1つの仕事が形になった
お客様への案内文の下書き
- 4半年後・いま
毎日使っている
見積や案内文の下書き、打ち合わせメモの要約
かかったお金の変化
0円(無料版)→ 月20ドル(約3,000円)最初の日。開いて、そのまま閉じました
ChatGPTを開いて、白い入力欄を前に、固まりました。何を打てばいいかわからない。「こんにちは」と打つのも馬鹿らしく思えて、そのまま閉じました。あなたがもし同じ経験をしていたら、それは私と同じスタート地点です。
もう一度開いた日。話し言葉でいいと知りました
転機は大したことではありませんでした。「きれいな指示文を書かなくていい。話し言葉でいい」と、あるとき知ったことです。部下に頼むときと同じ言い方でいい。それなら打てる。ここで白い画面の怖さが半分消えました。もしあなたがいま画面の前で固まっているなら、覚えて帰ってほしいのはこの一点だけです。話し言葉のまま打っていい。
最初にうまくいった作業。お客様への案内文の下書き
お客様に出す書類の説明文の下書きでした。「この条件で、お客様向けの案内文のたたき台を作って」と、話し言葉のまま打ったら、6割くらいの出来のものが返ってきた。完璧ではない。でも、白紙から書くのと、6割の下書きを直すのとでは、気持ちの重さがまるで違いました。
最初の1業務が「これは使える」と形になったのは、始めてから1週間〜10日ほどのことです。最初に選んだのは、日常業務のかんたんな効率化です。大げさな改革ではなく、毎日の書き物からでした。
やめた使い方。数字のチェックは任せません
数字の計算やチェックをそのまま任せるのは、私はやめました。生成AIには、もっともらしい間違いを、自信のある口調で返してくる性質があるからです。
文章の間違いなら読めば気づけますが、数字の間違いは見た目では気づけない。だから、金額や数量の確認は人間の仕事のまま残し、AIは文章の「たたき台づくり」と「要約」に絞りました。そう割り切ってから、安定して役に立つようになりました。
現在地。いまは毎日、仕事で使っています
本格的に使い始めて、半年ほどになります。いまは見積や案内文の下書き、打ち合わせメモの要約など、毎日です。正直に言えば、仕事の日は1日8時間近く、何かしらAIと一緒に作業しています。ただ、これは「経緯の結果」であって、最初からこうだったわけではありません。最初の日の私は、白い画面を前に固まっていた人間です。
払ったお金。月20ドル(約3,000円)です
使っているのはChatGPTで、月額は20ドル(約3,000円・2026年7月時点のWeb決済)。始めたときは0円(無料版)でした。1年目の総額は費用のセクションに実額の表で載せています。
削減できた時間や金額を数字で言いたいところですが、私はまだきちんと測っていないので、書きません。言えるのは、「白紙に向かう時間」が明らかに減り、後回しにしていた書き物に手がつくようになった、という体感までです。あなたの会社で同じになるとは限りません。でも、0円で確かめられることではあります。
最初のひとつの選び方。9人の会社でもできる「業務の消去法」



候補が多すぎて、結局どれも選べませんでした。



そこ、いちばん多くの方が止まるところです。消していく方法で決めてみませんか。
紙に書くのは3つだけ。書けたら1個に絞れます。メモ用紙1枚で足ります。
「AIでできること一覧」は、もう見なくて大丈夫です。一覧はあなたに「選ぶ仕事」を返してくるだけです。ここでは逆に、消去法で1個に絞ります。紙とペンを用意して、次の3つだけ書いてください。
| 書くこと | 例(建設資材卸・9名の会社なら) |
|---|---|
| ① あなたが毎日〜毎週やっている作業 | 見積書づくり、仕入先への発注、請求書の確認、現場への段取り連絡、銀行・保険の書類 |
| ② その中で「面倒だ」と感じる順番 | 1位:見積書に添える説明文 2位:取引先へのお詫びや依頼の文面 3位:会議メモの整理 |
| ③ それは「文章を書くこと」で完結するか | 説明文=はい/発注=いいえ(システム入力)/文面=はい |
②の上位で、③が「はい」のもの。それがあなたの「最初のひとつ」です。たいていの会社で、見積書の下書きか、お客様・取引先向けの文面が残ります。
この表は、そのまま紙に書き写して使えます。3行だけなので、メモ用紙で十分です。会議や上司・理事長への説明にも、この3項目のまま出せます。
AIに向く仕事・向かない仕事の見分け方



見分け方が分かると、ここから先の判断が全部速くなります。
| 向く仕事 | 向かない仕事 |
|---|---|
| 文章のたたき台づくり(見積の説明文・案内文・お詫び文) | 金額や数量の最終チェック(間違いに気づきにくい) |
| 長い文章の要約(議事録・メール・資料) | 契約や法律の最終判断(専門家の領域) |
| 言い方の変換(難しい話を平易に、口頭メモを文章に) | 顧客の個人情報を扱う作業(そもそも入れない) |
| アイデア出しの壁打ち(相談相手役) | 会社の重要な意思決定そのもの |
目安はひとつ。「間違っていても、直せばいいだけの仕事」から任せる。間違いが事故になる仕事は、後回しでいいし、任せなくてもいいです。
【業種別】最初のひとつはこれ。中小企業の業種別の例
| 業種 | 最初の1業務(例) | もう1つの候補 |
|---|---|---|
| 不動産 | 物件紹介文の下書き | 重説前に確認する書類のチェックリスト(確認用の一覧表)づくり |
| 建設 | 見積内訳を説明する文章づくり | 工程の説明をお客様向けに平易に直す |
| 飲食 | SNS(交流サイト)告知文の下書き | 新メニュー説明文・アレルギー案内のたたき台 |
| 小売 | 商品説明・POPの文面づくり | 仕入先への依頼メールの下書き |
| 士業事務所 | お客様向け案内文の平易化 | よくある質問への回答文のたたき台 |
| 医療・介護 | 掲示物・お知らせ文の下書き | 研修資料の要約 |
どれも「文章で完結」し、「間違えても直せばいい」仕事です。あなたの業種が無ければ、消去法シートで作れます。
たとえば建設業なら、「見積内訳の説明文」を今夜作るとこうなる



業種が違っても、置き換えるところは同じです。ご自身の仕事に読み替えてみてください。
一つだけ、具体的に掘り下げます。リフォーム工事の見積書に説明文を添えたい場合、AIにはこう打ちます(話し言葉のままで大丈夫です)。
私は建設会社の社長です。リフォーム工事の見積書に添える、お客様向けの説明文のたたき台を作ってください。条件は3つ。工期は約3週間で、足場を組む必要があること。近隣へのあいさつはこちらで行うこと。追加の工事が出そうな場合は、必ず事前にご相談すること。お客様が安心できる、やわらかい文章でお願いします。
ここで見てほしいのは、お客様の名前・住所・金額が一つも入っていないことです(次のセクションの判定10例でいう「#2の形」です)。工事の条件だけを渡して、文章の骨組みを作らせる。返ってきた6割の下書きに、金額や固有名詞はあなたが手元で足す。この分担なら、無料版でも今夜から安心して試しやすくなります。
「効率化=リストラ」と思われない、社員への伝え方



ここを飛ばすと、道具より先に空気が固くなります。
これは上位のどの記事にも書かれていませんが、実務ではいちばん大事な話かもしれません。事務員さんが2名、どちらもベテラン。そんな会社で「AIで効率化する」と言えば、「私の仕事がなくなる」と聞こえます。
言い方の順番を変えてください。
- ×「AIで効率化する」
- ○「◯◯さんがいつも面倒だと言っていた、あの作業だけ、楽にできないか試したい」
「仕事を奪う」ではなく「面倒を減らす」順に、実物を見せながら。私の場合は、まず自分の作業で使って見せてから「これ、あの書類にも使えないかな」と相談する形にしました。命令ではなく相談。導入の主役をベテランの側に渡すと、空気が変わりやすいです。
お客様の名前・連絡先・見積の金額・未公開の情報は入れないでください。入れたものは取り消せません。
AIに入れてはいけない情報はありますか?始める前の10の判定例



正直、うっかり何か入れてしまいそうで怖いです。



ここは飛ばさないでください。あとから戻すのがいちばん大変なのが、この話です。
あります。顧客名・住所・金額の入ったものは入れない。迷いやすい10例を先に見てください。
「変な情報が漏れたらどうする」。この不安は正しいです。だから、始める前にルールを決めます。原則は一行。
お客様の名前・住所・お金の情報、社内のまだ公開していない情報は、AIに入れない。
難しいセキュリティの設定を覚えるより先に、「そもそも入れない」がいちばん確実なセキュリティ対策です。考え方の土台はこうです。AIに入れた情報は、「一度外に出した情報」として扱う。取り消せない前提で考えれば、迷ったときの判断は自然と固くなります。
そのうえで、実務で迷いやすい10例の判定を置いておきます。私が自社で実際に使っている基準です。
| # | 入れようとしているもの | 判定 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 1 | 顧客名・金額入りの見積書そのもの | ダメ | 名前と金額を伏せれば#2の形でOK |
| 2 | 名前も金額も伏せた「見積の説明文の下書き」 | OK | 最初の一歩に最適 |
| 3 | お客様の住所録・名簿 | ダメ | 個人情報のかたまり。例外なし |
| 4 | 公開済みの自社チラシやホームページの文面 | OK | すでに世に出ている情報 |
| 5 | 取引先との値引き交渉のやり取り(社名入り) | ダメ | 社名を伏せ「こういう場合の返し方は?」と一般化すればOK |
| 6 | 就業規則・社内規定の下書き(個人名なし) | 条件つきOK | 個人名・未公開の数字を除いてから。規程の中身自体は社労士など専門家に確認を |
| 7 | 物件や現場の正確な住所 | ダメ | 「うるま市の築20年の倉庫」程度のぼかし方ならOK |
| 8 | 銀行口座・パスワード類 | ダメ | 入れない。理由の説明も不要なレベル |
| 9 | 求人票の文面づくり | OK | 給与など公開前提の条件だけで |
| 10 | 従業員の給与・人事評価 | ダメ | 社員の個人情報。紙のままでいい |
補足を2つだけ。#1と#2の違いは、この表の背骨です。仕事そのもの(見積の説明文づくり)はAIに向いているのに、資料ごと丸投げすると個人情報まで一緒に渡してしまう。「仕事は渡す、固有名詞は渡さない」。この一線さえ引ければ、使える場面は一気に広がります。
#7のぼかし方も同じ発想で、AIが文章を書くのに必要なのは「築20年・倉庫・うるま市あたり」という性質の情報であって、正確な番地ではありません。必要な性質だけ渡す。これが慣れです。
もうひとつだけ。ChatGPTは、無料版でも有料版でも、設定画面(データコントロール)から「入力内容をAIの学習に使わせない」ようにできます。会社向けのプランは扱いが異なるため、契約前に公式の説明をご確認ください。手順は別の記事にまとめますが、まずは上の10例、つまり「そもそも入れない」を守れば、設定と二重の守りになります。
この10例は、印刷して事務所の壁に貼っておくと、社内で迷ったときの共通の物差しになります。
正直な費用の話。0円でどこまでできて、私は1年目に実際いくら払ったか



実際に払った金額を、そのまま出しています。よその会社の相場ではありません。
0円で始められます。私の1年目の総額は約30万円。ただし始まりは0円で、最初の有料化は月3,000円です。「◯十万円の導入支援」を検討する前に確認する質問も置いておきます。
費用の話は、正直に書きます。段階は3つしかありません。
費用の段階は3つだけ
大事なのは金額より順番です
0円
ChatGPT無料版で、社長が自分の業務を試す
全員ここから。この記事の宿題はここ
月数千円
有料版に切り替え。回数の上限が緩み、使える機能が増える
無料版で「役に立つ」と感じてから
数万〜数十万円
外部に設計や導入を手伝ってもらう
社内に広げる段階で、必要なら
段階0を飛ばして、段階2から入らないでください
費用の目安は2026年7月時点の一般的な水準です。私の1年目の実額は、この下の表に載せています。
自分で一度も使っていない道具の導入支援に、高いか安いかの判断はつけようがないからです。
そして、これが私の1年目の実額です。
| 項目 | 実額 |
|---|---|
| ChatGPT有料版の月額 | 20ドル(約3,000円)※Web決済・2026年7月時点 |
| 本格的に使った期間 | 約半年 |
| 1年目に払った総額 | 約30万円(ChatGPT以外のAIツール・利用料を含む) |
総額が大きく見えるのは、私がその後、複数のAIを仕事道具として使い込むようになったからです。最初の一歩に必要なのは、0円〜月3,000円だけ。道具代の入口は、この程度です。ですから、もし「AI導入支援・◯◯万円」という提案を受けたら、高い安いを悩む前に、この4つを確認してください。
- 何をやってくれるのか(成果物は具体的に何か)
- 誰がやるのか(担当者は中小企業の実務がわかる人か)
- いつまでに形になるのか
- やめられるか(途中解約・月単位の契約か)
4つに明確に答えてくれる提案なら、検討する価値があります。答えがあいまいなら、急いで決めないでください。他社の悪口を言いたいのではなく、判断の物差しを先に持っておくことが、あなたを守るという話です。
補助金についても一段落だけ。国の制度は2026年度から名称が変わり、「デジタル化・AI導入補助金」(旧・IT導入補助金)になっています。対象となるツールの導入費用の一部が補助される場合があります。補助率や上限額は年度・枠によって変わるため、必ず公式サイト(デジタル化・AI導入補助金)で最新情報を確認してください。そして、
あなたの会社が対象になるか・いくら出るか・どう申請するかは、商工会議所や支援機関、専門家に必ずご確認ください。この記事では制度の存在の紹介までにとどめます。
なお、私の会社でもAI活用の相談業務をやっていますが、それは相場観の一例にすぎません。まず0円の段階0から。それで十分に始まります。
うちの場合いくらが適正か知りたい方へ。相談する前の不安については、無料相談のあとに営業電話が来ない理由にまとめています。こちらから電話はかけません。
AIを「やらない」ほうがいい場合もあります



え、AIの記事なのに、やらない方がいいって言うんですか?



売りたいのに、やらない方がいい場合の話をします。ここは正直に書きます。
全部AI化する必要はありません。「今は見送る」も正しい経営判断です。
推進の記事ばかりの中で変なことを言うようですが、本音を書きます。AIを入れないほうがいい場面は、普通にあります。
やらないほうがいい場合と、それでもできること
全部をAIにする必要はありません
- ×
紙とFAXの業務を、全部AIに置き換える
AIが効くのは「文章を書く・まとめる」まわりです。長年それで回ってきた仕組みには、それなりの理由があります。
- ×
困りごとの正体が、AIではないとき
売上管理が大変なのは記録の場所が3つに分かれているから、仕事が集中するのは分担の問題かもしれません。その場合、AIを入れても面倒が一つ増えるだけです。
- ○
「今は見送る」と、自分の言葉で言う
流されて入れることより、よほど立派な経営判断です。
- ○
入れるか・見送るか、その判断だけを持ち帰る
その使い方でも構いません。まずは知るところまで。
紙とFAXが残っている業務を、全部AIに置き換える必要はありません。長年それで回ってきた仕組みには、それなりの理由があります。順番として、AIが効くのは「文章を書く・まとめる」まわりであって、紙の受発注そのものではない、ということも多い。
それから、困りごとの正体がAIではないケース。売上管理が大変なのは、AIがないからではなく、記録の場所が3つに分かれているからかもしれない。特定の人に仕事が集中しているのは、道具ではなく分担の問題かもしれない。その場合、AIを入れても面倒が一つ増えるだけです。
私は本業の不動産の仕事でも、お客様を急かさないことを信条にしてきました。AIも同じだと思っています。まずは知るところまで。導入するかどうかは、そのあとにゆっくり決めてみませんか。これは宣伝文句ではなく、私が毎日の仕事で本当に大切にしている姿勢そのものです。「今は見送る」と自分の言葉で言えることは、流されて入れることより、よほど立派な経営判断です。
入れるか・見送るか、その判断だけを持ち帰る使い方でも構いません。
(この章の話は、相談でも同じです。やめた方がいいと思ったら、記事末でご案内する無料相談でもそう言います。ここでの案内は、この一行だけにします。)
中小企業のAI活用、最初の7日間カレンダー。月曜の朝に何をするか



月曜まで待たなくて大丈夫です。ただ、順番だけ決めておくと迷わずに済みます。
1日10分。月曜は「登録して1回打つ」だけです。
今夜の宿題(次の次のセクション)を済ませたら、あとはこの表のとおりに1週間だけ動いてみてください。使う道具は宿題と同じ、ChatGPT無料版ひとつ。1日10分でいいです。
| 曜日 | やること(各10分) | よくあるつまずき |
|---|---|---|
| 月 | 登録して(済んでいれば開いて)、宿題のコピペ文をもう1回打つ。出てきた文を眺めるだけでいい | パスワードを忘れがち。紙のメモに控える(AIの画面には書かない) |
| 火 | 昨日と同じ作業をもう1回。今度は「もっと短く」「もっと丁寧に」と追加で注文してみる | 注文の仕方に迷ったら、そのまま「もっと短くして」と話し言葉で打てばいい |
| 水 | 消去法シートで選んだ「自分の最初のひとつ」で試す。出来は6割で合格 | 6割の出来を「使えない」と切り捨てたくなる。直す前提の下書きだと思い出す |
| 木 | 昨日の続き。AIの下書きを自分で直して、実際の仕事で1回使ってみる | 直した文をAIに戻して「これでどう?」と聞いてもいい。往復していい道具です |
| 金 | 今週いちばんうまくいったやり取りを、社員1人にそのまま見せる(説明しない。画面を見せるだけ) | つい説明したくなる。しない。画面だけ。感想も求めない |
| 土 | 休む。または、面倒な書き物を1つだけAIと片づける | 休むのも予定のうちです |
| 日 | 5分だけ振り返る。「来週も続けるか、やめるか」を自分で決める | 人に聞きたくなるが、ここは経営者のあなたが一人で決めていい5分です |
日曜の「やめる」も選択肢に入っているのは本気です。1週間試して合わなければ、堂々とやめていい。ただ、私の場合は、3日目の水曜あたりで「あ、これは戻れないな」という手応えがあり、業務として形になったと言えるのは1週間〜10日たったころでした。
よくある質問(FAQ)



ここまでで浮かんだ疑問が、たぶんこの下のどれかにあります。
Q1. 中小企業のAI導入には費用がいくらかかりますか? A. 0円から始められます。まず無料版で社長自身が試し、役立つと感じてから月数千円の有料版を検討する順番で十分です。私自身の1年目の実費は本文の実額表に載せています。
Q2. パソコンが苦手でもAIを使えますか? A. 使える方がほとんどです。生成AIは文章で話しかける道具なので、LINEが使えればたいてい操作できます。私自身、エンジニアではありません。
Q3. AIに入力してはいけない情報はありますか? A. あります。顧客の個人情報・取引先の機密・社内の未公開情報は入力しないのが基本です。本文の判定10例をご覧ください。
Q4. 社員に反対されたらどうすればいいですか? A. 先に社長が使って見せるのが近道です。「仕事を奪う」ではなく「面倒な作業を減らす」順に見せると受け入れられやすくなります(私の場合の経験です)。
Q5. 相談したら営業電話がかかってきませんか? A. こちらからお電話することはありません。LINEで一言お送りいただくだけで、そのまま終えていただいて構いません。うかがうのは会社の状況です。あなたを試すことはしません。
まとめ。今夜、これだけやってみてください(5分)



あと5分だけです。ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
結論は「社長が、自分の面倒な仕事1つから。迷ったら見積書の下書き」。今夜の宿題は下の5分だけ。詰まったらLINEで一緒に見ます。
長い記事をここまで読んでくださって(あるいは飛ばしてここへ来てくださって)、ありがとうございます。最後に、宿題をひとつだけ渡します。月曜まで待たなくていい。今夜、そのスマホでできます。
今夜の宿題(5分・0円)



ここまで来たら、あとは打つだけです。5分で終わります。
ステップ1:ChatGPTの無料版を入れる(約3分)
- スマホのアプリストア(App Store/Google Play)で「ChatGPT」と検索する
- OpenAI社の公式アプリ(白地に黒い結び目のようなマークです)を入れる
- メールアドレスで登録する
ここまで3ステップです。パスワードを決める画面などが出ますが、画面の案内どおりに進めば大丈夫です。
ステップ2:この文をコピペで打つ(1分)
私は◯◯業の会社の社長です。お客様に出す見積書に添える説明文を、一緒に作ってください。
◯◯のところだけ、あなたの業種(建設資材卸、リフォーム、飲食など)に変えてください。それ以外はそのままで結構です。
ステップ3:出てきた答えを、眺める(1分) 出来は6割くらいのはずです。それでいい。「白紙から書くのと、6割の下書きを直すの、どっちが楽か」。それを体で確かめるのが、今夜の目的のすべてです。うまく答えが出なくても、それはそれで「いまの現在地」がわかったということなので、宿題としては成功です。
うまく動かなかった方へ。登録で詰まった、変な答えしか出ない、何が悪いのかわからない。そうしたうまくいかない原因を、下の無料相談で一緒に見ます。それだけで終わって構いません。
無料相談のご案内
無料相談です。LINEで、いちばん面倒な仕事を一言お送りください。深町が読んで、順番にお返事します。よければ、次の3つも添えていただけると、こちらで整理しやすくなります。
- 業種
- 人数
- いちばん面倒な仕事
準備は要りません。通話もしません。専門用語は使いません。うかがうのは会社の状況です。あなたを試すことはしません。
正直に書いておきます。この相談は始めたばかりのサービスで、まだ「お客様の声」を並べられる段階ではありません。実績で信用していただけない分、この記事のように、費用も失敗も手の内を全部書くことにしています。
今夜、このスマホから送れます。月曜に思い出す必要はありません。LINEで一言だけで構いません。1分あれば終わります。お手元のスマホから、どなたにも知られずに進められます。
- 営業の電話はかかってきません(お返事はLINEでお送りします)
- 急かしません
- 一言送るだけで、終えていただけます
- AIを入れない方がよさそうなときは、そうお伝えします
この記事を書いた人
深町 貴弘(ふかまち たかひろ) 株式会社OKINOWA代表。沖縄で不動産業と、中小企業向けのAI活用支援をやっている一人社長。エンジニアではありません。宅建士・FP2級。
「私も最初は、何を打てばいいかわからず閉じました。今は自分の会社の実務で毎日AIを使っています。」
方針は「電話しない・急かさない・となりに座る」。 相談されても、AIを入れない方がいいと思ったらそう言います。→ 営業電話が来ない理由を読む


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